お金がお金を生む世界、弱肉強食、一晩で大金持ち、ギャンブル・・・
どれも間違ってはいません、株式投資は勝者の裏に敗者がいるからです。
もしかするとその事実が、多くの人を株式投資から遠ざけているのかもしれません。
しかし逆説的に「株式投資が儲からない」という考えを知った時に、儲けたい!と強く思っていた人や、株式投資に興味のなかった人にも新たな道が見えるかもしれません。
キーワードは「長期・分散・積立」
これらをしっかりと理解することで、株式投資で「負けなくなる」可能性は格段に上がります。
負けなければ大丈夫です。負けないで株式市場に残りさえすれば、勝てる可能性は格段に上がっていきます。
その理由、どう知識をつけ、行動に移せば良いか考えていきましょう。
儲かると思ってはいけない理由①「すぐに」儲けたいという発想
一般的に株式投資を想像した時に、「ハイリスク・ハイリターン」の個別株の売買を元に利益を得ると思う浮かべる方が多いでしょう。
ドラマや映画で観るような、いくつもの画面モニターの前に張り付いて株の売買を繰り返す、いわゆる「トレーダー」です。
これは株が安い時に買って、高い時に得る、「アクティブ投資」と呼ばれ、上手な人であれば短期間でも元本を大きく膨らますことが可能です。
しかし、そこはプロの業。もっと言うと、プロであってもなかなか難しい行為です。素人にはなおさらですね。
では、やはり大半の素人にとって株式投資は諦めなければならないのか?それは少し性急です。
世の中には「長く持って少しずつ増やす」タイプの投資方法が存在します。
先ほど挙げた「アクティブ投資」に対して「パッシブ投資」と呼ばれます。
積極的に対して消極的ですから、ネガティブかと言うとそんなことはありません。
ここで重要なのは、短期で売買して、短い時間で利益を目指すのに対して、長期で保有することでリスクを減らすタイプの投資方法があると言うことです。
儲かると思ってはいけない理由②「いい株で」儲けたいという発想
一般に株式投資を想像した時に「何かいい銘柄がないか?」を探すのがセオリーだと思い浮かべる方は多いと思います。
「株」という言葉は普段の生活の中にも良く出てきます。
何かいい仕事をすれば「あの人は株を上げた」とか、失敗すれば「株を下げた」といった風に。
「個々の値打ち」を示した言葉だと理解することができます。
しかしこの点についても、「すぐに儲かる」と考えることと同様、アクティブ投資を志す投資家が考えるべきことであると、初心者の方は思ってしまってOKです。
つまり、個々の良い銘柄を自分でピックアップする投資方法に対して、企業の細かい分析をしなくても、リスクを抑えて初めから分散が効いたやり方が存在します。
株を買う上での鉄則です。
卵1つが落ちたとしても、他の卵が無事ならなんとか生き延びることができるからです。
そのためには卵1つ1つに対してプロ並みの知識が必要でそれを選ばなければならないと思うかもしれませんが、実はそんなことはないのです。
卵が初めから何個も盛られている商品を購入する方法もあるのです。
儲かると思ってはいけない理由③「一発狙い」で稼ぐとい発想
お金を一気に増やしたいと考えた時に、考えがちなのが「一発狙い」です。
正にギャンブルがその世界ですね。一発逆転を狙って、好きな馬に大金を投じる。
当然、これは株を買うという行為を通じても実践できます。
買った時点の株価よりも高くなれば勝てるかもしれないし、安くなれば負ける。簡単な理屈ですね。
しかしこのやり方も危険であることには変わりありません。
株式のプロが群雄割拠している世界です。たまたま1度・2度勝つことがあったとしても、継続してずっと、トータルで勝ち続けるという訳にはなかなかいかないでしょう。
これは性格的な面も出てきてしまいますが、ここはじっくり我慢しながら徐々に「積み立てする」ことです。
これは意志が介在するので難しいと思われるかもしれません。
しかし毎月一定額を自動的に徐々に積み上げていってくれるサービスがあるとしたら、使ってみたいとは思いませんか?
インデックス投資という投資方法
初心者が株式投資をする際にイメージしがちなのが、上に挙げた「すぐに儲かる・いい株がある・一発狙い」という発想です。
もうお分かりかと思いますが、これは株式投資ではありますがほとんどギャンブルと変わりません。
ほんの一部の才能あるプロのみが勝ち続けられる投資方法です。
では、ギャンブル的な方法でしか株を買うことが出来いないのかというと、これも違います。
冒頭キーワードとして挙げた「長期・分散・積立」に適した初心者でも結果を出しやすい投資方法があります。
それが「インデックス投資」と呼ばれる投資方法です。
インデックス投資とは何か?
日経平均・TOPIX(東証株価指数)・ニューヨークダウなどという言葉を聞いたことがあるかと思います。
これらは各市場の平均値を表しています。
例えば日経平均であれば、一部上場企業の株価(味の素、日産自動車、ANA、NTTなど有名企業)の全てを取った平均をのことを指します。
インデックス投資はこの平均に対してお金を投資する手法です。
市場の平均に対して投資をするということは、伸びそうな市場を狙って掛けなければいけないのでは?と思うかもしれません。
しかし、それすらも考える必要を除いてくれるのが、インデックス投資のすごいところです。
これは、世界に存在する市場全てにあまねく投資する、というイメージです。
世界は歴史上、今に至るまで紆余曲折ありながらも科学の力をベースにしながら少しずつ成長をしてきました。そして富を(お金を)生んできました。
なので株価も当然緩やかな右肩上がりを続けています。
実際、この「全世界インデックス投資」は株式投資を知る人にとっては一定の人気を博しています。
もちろん全世界だけに留まらず
- 先進国全体
- 後進国全体
- アメリカ1国のみ全体
- ヨーロッパのみ全体
- アジアのみ全体
といった商品も存在し、それぞれのパフォーマンスを確認しながら投資することも可能です。
では、実際にインデックス投資をしてみたら儲かるのでしょうか?
答えはNO、ギャンブル性の高い個別投資ほどは儲かりません。
しかし、逆にいうと極めて負けにくい投資方法だということが言えます。
第一の理由は、平均値は個別値より動きが緩やかだからです。これはイメージしやすいですね。
1社の企業の業績と、100社の企業の平均の業績の振れ幅がどちらが大きかと言えば、それは1社であることは明白だからです。
インデックス投資は、数十社~数千社に最初から分散されている投資方法です。なので一気に大きく勝つことがない代わりに、負ける可能性も低いのです。
ここで繋がってくる考えが「長くゆっくり増やす」ということです。
上下の振れ幅がさほど大きくないので緩やかなペースで確実に増えていくことに期待をかけるからです。長期目線が必要ということです。
1度にたくさのお金を積み上げるのでなく、定期的に定額を積み上げていくという手法に自然になってくる性質があります。
証券会社の体制にもよりますが、毎月定額を自動で積み立ててくれるサービスがあるくらいです。
インデックス投資は「すぐには儲からない=ゆっくりは儲かる」、「簡単には勝てない=簡単に負けもしない」投資方法です。
それらに必要な「長期・分散・積立」の意味するところも明確になったと思います。
しかし何より大切なのは始めること、そして続けることです。