離婚後に各種手続きをしていたら、国民年金の保険料の支払いに直面して「うっ・・・」と思われた方も多いと思います。
離婚当初の私も経験した気持ちです。
特に時間も出費もかさむ離婚直後、国民年金の保険料の支払いはどうしたらいいでしょうか?
今まで支払いがなかったのはなぜ?
会社員の元夫(第2号被保険者)の扶養である専業主婦だったり、パートで働いていても扶養内だった方は、第3号被保険者となり、元夫が加入する年金制度が一括負担しています。
そのため、家計からの出費がなく、支払うお金として意識することはなかったでしょう。
元夫が自営業などで、第1号被保険者だった場合は、妻であるあなたも第1号被保険者で支払いが発生していました。
第3号被保険者だった方も、もともと第1号被保険者だった方も、離婚後となると気になるのは同じですね。
同じように元夫の影響を受けていた健康保険は、病気や怪我を考えると、
「離婚後すぐに保険証をもらいたい!」
「保険料も払わなきゃ!」
と思いわれたと思いますが、国民年金は・・・
「今すぐもらえるものでもないし、うーん、どうしよう。払わなきゃダメ?」
と、悩ましく感じることもあるでしょう。
何も手続きせずに支払わないと未納
離婚後、そのままなんとなく払わず、未納のままだと、将来の年金額に反映されません。
それだけでなく、受給資格期間への算入もされないのです。
受給資格期間というのは、年金を受けるために必要な加入期間のことです。
[topic color=”pink” title=”ポイント”] 平成29年8月1日からは、25年以上だった資格期間が10年以上あれば老齢年金を受け取ることができるようになります。[/topic]
年金額に反映されないと、もらえる年金が少なくなりますし、受給資格期間が足りないと年金をもらえません。
でも、国民年金の保険料は現在、月々16,340円(平成30年度)。
シングルマザーにとって、なかなか家計に響いてくる金額です。
そんな時は、「国民年金保険料免除・納付猶予制度」を思い出してください。
国民年金保険料免除・納付猶予制度とは
国民年金保険料免除・納付猶予制度とは、前年度の所得が少なく、国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合に、保険料の納付が免除されたり、猶予されます。
免除や猶予されるには、申請して、承認される必要があります。
市区町村(役所)の年金窓口で申請できますので、ぜひご相談ください。
この制度を利用すると、未納とは異なり、以下のようなメリットがあります。
- 保険料免除や納付猶予になった期間が、年金の受給資格期間に算入されます。
- 保険料を免除された期間は、年金額1/2(税金分)受け取れ、一部納付もその納めた割合に応じた年金額が受け取れます。
- 保険料免除・納付猶予を受けた期間中に、障害や死亡となった場合、障害年金や遺族年金を受け取ることができます。(障害基礎年金および遺族基礎年金を受け取るためには一定の受給要件があります。)
老齢基礎年金 | 障害基礎年金 遺族基礎年金 (受給資格期間への算入) | ||
---|---|---|---|
受給資格期間への算入 | 年金額への反映 (平成21年4月 以降の反映額) | ||
納付 | ○ | ○ | ○ |
全額免除 | ○ | ○ | ○ |
一部納付 | ○ | ○ | ○ |
納付猶予 学生納付特例 | ○ | × | ○ |
未納 | × | × | × |
(参照:日本年金機構「保険料を納めることが、経済的に難しいとき」)
また、全額免除・4分の3免除・・・となる所得の金額は以下の通りです。
免除の種類 | 所得基準 (前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること) |
全額免除 | (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円 |
4分の3免除 | 78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
半額免除 | 118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
4分の1免除 | 158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
納付猶予制度 | (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円 |
保険料を支払う余裕ができたら
免除期間も年金額に反映されるとはいえ、老後の年金を満額に近づけることができるならしたいですね。
その場合は、「保険料の後払い(追納)」を行いましょう。
(図参照:国民年金機構「免除された国民年金保険料を追加で支払いたいとき」)
追納を行う場合は、年金事務所で申し込みを行い、厚生労働大臣の承認を受けたうえで、納付書が渡されます。
追納ができるのは、追納が承認された月の前10年以内の免除等期間に限られています。
さらに、過去2年分は追納加算額はありませんが、それ以前の分は、経過期間に応じた加算額が上乗せされますので、追納する場合は、早目に手続きしましょう。
このように、現在の状況に寄り添ってくれる制度を活用しながら、離婚後の生活を組み立てていきましょう!
こちらの記事もオススメ